〒632-0052 奈良県天理市柳本町702-1

トピックス topics

子どものお口ポカンは歯並び悪化のサイン?原因と簡単な予防法

子どものお口ポカンは歯並び悪化のサイン?原因と簡単な予防法

テレビを見ている時、お子さんの口が開いていませんか?


「お口ポカン」は、ただの癖と見過ごされがちですが、歯並びや顔の発育、全身の健康にも関わるサインの一つと考えられています。天理市にお住まいで、6歳前後のお子さんの口元やいびきが気になり始めた保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、口呼吸が起こる背景から、ご家庭でできるトレーニング、歯科医院での予防的な関わり方まで、ちか山歯科医院がやさしく解説します。


この記事の要点まとめ


  • お口ポカン(口呼吸)は歯並びや顎の発育、全身の健康に関わるサインの一つとされている
  • ご家庭では「あいうべ体操」や噛む習慣の見直し、肯定的な声かけなどで対策に取り組める
  • 5〜7歳頃は予防矯正やMFTを始めやすい時期で、気になる場合は早めの歯科相談が望ましい

目次



お口ポカン(口呼吸)が子どもの歯並びや全身に及ぼす4つのリスク

お口ポカン(口呼吸)が子どもの歯並びや全身に及ぼす4つのリスク

お口がいつも開いている状態は、医学的には「口腔機能発達不全症」と関連するサインの一つと考えられています。歯並びだけにとどまらず、顎の成長や免疫機能にも関わる可能性があるため、早めに気づいてあげることが大切です。


出っ歯(上顎前突)や開咬(前歯が噛み合わない状態)が起こりやすくなる理由


本来、歯は外側からの唇の力と、内側からの舌の力がバランスを取りながら正しい位置に並びます。ところが口がポカンと開いた状態が続くと、唇から前歯にかかる圧力が弱まり、前歯が前方に押し出されやすくなる傾向があります。さらに舌が低い位置にとどまることで、上下の前歯がうまく噛み合わない「開咬(かいこう)」が生じることもあります。これがいわゆる「出っ歯」や前歯のすきっ歯につながる要因の一つとされています。


顎の発育と、歯が重なって生える「叢生(そうせい)」の関係性


口が常に開いていると、しっかり噛む動作や舌で上顎を押す刺激が減り、顎の骨の発育に影響が及ぶ可能性があります。顎が十分に育たないまま永久歯の生え揃う時期を迎えると、歯が並ぶスペースが足りず、重なって生える「叢生」が起こりやすくなると考えられています。永久歯への生え変わり前の時期に顎の成長を促すことは、将来の歯並びに関わる大切なポイントです。


口内乾燥による「虫歯・口臭リスクの上昇」と「アデノイド顔貌」への影響


口呼吸ではお口の中が乾燥し、唾液による自浄作用や抗菌作用が働きにくくなります。その結果、虫歯や歯肉炎、口臭が気になりやすくなる傾向が指摘されています。また長期にわたる口呼吸は顔の筋肉の使い方にも影響し、顔が縦に長く伸びた印象になりやすい「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔立ちにつながる可能性があるといわれています。


睡眠の質や風邪のひきやすさなど全身の健康への関わり


鼻には、空気を加湿し、ホコリやウイルスをろ過するフィルターの役割があります。口呼吸ではこの機能が活かしにくいため、感染症にかかりやすい傾向があるとの指摘もあります。就寝中のいびきや眠りの浅さ、日中の集中力にも関わることがあるとされており、お口ポカンは全身の健康ともつながりがあるといえるでしょう。


子どもの口がポカンと開いてしまう主な原因と「よくある誤解」


お口ポカンは「だらしないから」起きているのではなく、必ず何らかの背景があります。原因を見極めずに注意するだけでは改善が難しいため、まずは正しい知識を持つことが第一歩となります。


【よくある誤解】「ただの癖だからそのうち治る」は本当?


「成長すれば自然に閉じるようになる」という声をよく耳にしますが、原因に対処しなければ口呼吸が習慣として定着してしまうケースもあります。特に学童期に入っても続く場合は、口輪筋の弱さや舌の位置の問題が背景にあることが多く、「様子見」のみで判断せず、早めに専門家へ相談することが望ましいといえます。自然な改善を期待して経過観察だけを続けると、歯並びや顔の成長へ影響が及ぶ前に対応する機会を逃してしまうこともあります。


口輪筋(お口の周りの筋肉)の弱さと、舌が下がっている「低位舌」の影響


お口を閉じておくためには、唇の周りにある「口輪筋」がしっかり働く必要があります。やわらかい食べ物中心の食生活や、よく噛まない習慣が続くと、この筋肉が十分に発達しにくく、口を閉じ続けるのがつらく感じる場合があります。


また本来、舌の先は上顎の少し前方にぴたりと付いているのが正しい位置とされます。これが下に落ちてしまう状態を「低位舌(ていいぜつ)」といい、舌が気道側に下がるぶん、無意識に口を開けて呼吸しやすくなります。低位舌は「舌癖(ぜつへき)」とも関連が深く、飲み込み方の癖としても表れることがあります。


アレルギー性鼻炎など「鼻づまり」による物理的な口呼吸


そもそも鼻が通っていなければ、口で息をするほかありません。アレルギー性鼻炎や慢性的な副鼻腔炎、アデノイド肥大などがあるお子さんは、鼻呼吸そのものが難しい状態です。この場合は歯科だけでなく、耳鼻咽喉科との連携が欠かせません。お口のトレーニングと並行して鼻の通りを整えることで、はじめて根本的な対策につながります。


【今日からできる】家庭で親子で取り組む「お口のトレーニング」と声かけの工夫

【今日からできる】家庭で親子で取り組む「お口のトレーニング」と声かけの工夫

ご家庭でできる工夫は、思った以上にたくさんあります。叱るのではなく、親子で楽しみながら取り組むことが続けるコツです。


ゲーム感覚で口の筋肉を鍛える「あいうべ体操」と市販グッズ遊び


代表的なトレーニングが「あいうべ体操」です。「あー・いー・うー・べー」と大きく口を動かし、最後に舌をしっかり前へ突き出します。1日30回程度を目安に、朝晩の歯みがき後など習慣に組み込むと続けやすくなります。


さらに、おもちゃ感覚で楽しめるグッズの活用もおすすめです。


  • 吹き戻し(ピロピロ笛):息を細く長く吐く練習になり、口輪筋を刺激します
  • シャボン玉やストロー遊び:唇を閉じる力と呼吸のコントロールを養います
  • リップトレーナー:唇で挟んで支える市販のトレーニング器具で、短時間で口輪筋を動かせます

「上手にできたね」と褒めながら行うと、お子さんも前向きに取り組みやすくなります。


子どもにストレスを与えない「肯定的な声かけ」と生活習慣の工夫


「お口閉じなさい!」と何度も叱ると、お子さんも保護者もストレスがたまってしまいます。そこでおすすめなのが前向きな言い換えです。たとえば「お口のパトロールしようか」「忍者みたいにそっと口を閉じてみよう」など、ゲームのように声をかけると素直に応じてくれることが増えます。


また、食事中の姿勢も大切なポイントです。足が床や足台にしっかりつき、背筋が伸びた状態でよく噛んで食べることで、自然と口を閉じる力が育ちやすくなります。やわらかいものばかりに偏らず、適度に噛みごたえのあるメニューを取り入れる工夫もおすすめです。


保育園・幼稚園や学校との連携・日常生活での確認ポイント


日中の様子は、保護者の目が届きにくいものです。連絡帳や面談の際に「給食中の口元」「お昼寝時の口の開き具合」「いびきの有無」などを具体的に尋ねてみましょう。先生に共有しておくと、必要に応じて声かけをしてもらえることもあります。家庭と園・学校が同じ方向を向くことで、改善のペースも変わってきます。


歯科医院で受ける「MFT(口腔筋機能療法)」と予防矯正のアプローチ


ご家庭でのケアと並行して、専門的なサポートを取り入れることで、より丁寧にお口の状態に向き合うことができます。お子さんに向け、ちか山歯科ではお口の機能を育てる視点からの予防的なアプローチを行っています。


何歳から相談するべき?歯科医院を受診する「目安となるタイミング」


お子さんの受診の目安として5〜7歳頃の生え変わり時期がよく挙げられますが、実は「もっと早く」からできる大切なケアがたくさんあります。

当院では「赤ちゃん歯科」をはじめ、0歳の小さなお子さんもたくさん来院されています。まだ歯が生え揃っていなくても、いびきやポカンとお口が開いているなど、少しでも気になることがあればそれが相談のベストタイミングです。乳幼児期からの健やかな骨格とお口の機能発育を、私たちと一緒に見守っていきませんか?


マイオブレースやプレオルソを用いた、お口の機能を整える「予防矯正」


小児期の予防矯正では、無理に歯を動かすのではなく、マイオブレースやプレオルソといったマウスピース型の装置を活用し、舌・唇・頬の筋肉の使い方を整えていきます。装置の装着と並行して、呼吸・嚥下・舌の位置を整える「MFT(口腔筋機能療法)」を組み合わせることで、お口の機能そのものを育てていくアプローチです。歯が並ぶスペースの確保にもつながりやすく、本格的な矯正治療が必要になった場合にも負担の軽減が期待できるとされています。


奈良県天理市・ちか山歯科医院での「セファロ」を用いた精密検査とアプローチ


当院では、歯科用CTやセファロ(頭部エックス線規格写真)、口腔内スキャナー(iTero)といった精密検査設備を活用し、顎の骨格バランスや気道の状態まで含めて分析します。公式サイトでもお伝えしているように、ちか山歯科医院では「患者さんと歯科医院、二人三脚の関係」を大切にしており、お子さん一人ひとりの成長段階に合わせた無理のないプログラムをご提案します。小児の予防矯正やお口ポカンが気になる方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。


よくある質問


Q1. 口ポカンは歯並びに影響しますか?

A. 影響する可能性があると考えられています。口が開いた状態が続くと、唇から歯にかかる圧力が弱まり、出っ歯や開咬、歯のガタガタ(叢生)につながりやすくなる傾向があるため、早めの対策をおすすめします。


Q2. 小学生のお口ポカンの直し方は?

A. 「あいうべ体操」や吹き戻しなどのトレーニング、よく噛む食習慣の見直し、肯定的な声かけが基本となります。ご家庭での工夫だけでは難しい場合は、歯科医院でのMFT(口腔筋機能療法)や予防矯正のご相談をおすすめします。






Q3. お口ポカンは障害ですか?

A. 障害ではありませんが、「口腔機能発達不全症」というお口の発達に関する状態として歯科で診断されることがあります。原因に応じた対応が可能ですので、気になる場合は一度ご相談ください。


Q4. 耳鼻科と歯科、どちらに先に行けばよいですか?

A. 鼻づまりやいびきが強い場合は耳鼻咽喉科を、口の閉じづらさや歯並びへの影響が気になる場合は歯科をおすすめします。両方の連携が必要なケースも多いため、迷われる際はまずご相談ください。


近山 成宣

歯科医師


ちか山歯科医院

院長

近山 成宣

▶ 監修者プロフィール

経歴
1988年 福岡歯科大学 卒業
1988年 有山歯科診療所学園前 勤務
1992年 ちか山歯科医院 開院